子供に食物や寝床を与えてやったのに、魔女は一方的に悪く言われ、そのうえパン焼き釜のなかで焼き殺される。子どもを食べようとしたというのがその理由であるが、魔女の家から宝物を奪って逃げかえった子供たちの一方的な話である。

野口芳子、2002、『グリム童話と魔女』p.12